3冠観戦気

とにかく人が溢れていた。
朝7時に京都競馬場に着いたときには
もうすでに駐車場のすぐ隣まで行列ができていた。

息は白み、寒さを感じながら一歩一歩競馬場内に近づいていく。

そして、入場。

いすはすでに満席。スペースを見つけ地べたに新聞を敷き、座り込む。
1Rから通路がふさがリ、歩くスペースがなくなるほどの異常な人の数。
地鳴りのような歓声。
やたらうるさい関西弁のおやじ。

馬券は10Rまで全敗。
しかしそんなことはどうでもよくなっていた。

スタンドは人で埋め尽くされる。暮れの有馬記念でも見た状況だ。
しかし違った。大きな期待と高揚感、
そしてただのG1レースでは感じ得ない緊張感がスタンドを支配していた。


ファンファーレの音が普段より小さく聞こえる。

菊花賞がスタートした。

皆の夢を背負ったその馬は、いつもと正反対の、すばらしいスタートをきった。

その馬は、馬群の中断にいたものの1週目スタンド前では明らかに行きたがっていた。

最後の直線。

その馬は一瞬のうちに数頭の馬を抜き去った。

他馬がとまって見えた。そのスピードは凄まじかった。

しかし。

一頭、かなり前に完全に抜け出している空気の読めていない馬がいる。

まさか…。

自分は皆の期待を一身に背負った馬に対し、絶叫した。

「頑張れ頑張れ頑張れ!!」

その絶叫のおかげで、その馬は先頭に立った。

三冠馬 ディープインパクト が誕生した。

拍手喝采。
観衆から歓喜の、感嘆の大歓声が沸きあがった。


馬券も当たった。最高の気分だった。

後ろの関西人は馬券をはずした自身を慰めるかのように
「いやーいいもん見せてもらったわー」を連呼していた。
わざとらしくうるさくて非常に不愉快ではあったが、放っておいた。

表彰式の井上和香は要らなかった。

武豊は、今までで一番かっこよく見えた。

12Rははずれ、この日はマイナスで終わった。
それがちょっぴり悲しかった。
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by twuda | 2005-10-24 22:00 | 競馬
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